渇き。を見た
昔、「世にも奇妙な物語」のショートストーリーでやたら破壊的で見た事もないような映像の回があってびっくりした。
日常生活の背景もコミック画、登場人物の演技も過剰で異常をきたしている。
自分のママがロボットだったって話。。だと記憶してる。。ともさかりえと麻生祐未が出演していた。最後、綺麗な麻生祐未の顔がロボットとして壊れたような?今では普通の感覚かもしれないが、当時はスピード力の半端ない唐突感にあっと驚いた。
それから程なくして、「濱マイク」でまた”あの唐突感!”の回があった。ドマゾの男(しかも高校教師)がひたすら走りまくる回。「もっと踏んでくれ~」みたいな言葉を叫びながら。。女王様の杉本彩やローズバッドと言われる殺し屋の松方弘樹が出ててこれまたマンガ的展開で面白かった。
それが中島監督だと知ったのは「嫌われ松子の一生」の時。マンガ的展開と”あの唐突感”に長けたミュージカル要素がストーリーの辛気臭さや泥沼展開を助けていて見事エンターテイメント作品に仕上がっていた。
「下妻物語」「パコとなんとかの~」はスルーしてしまったけど(苦手な要素が強くて)、この唐突感に乗ったブラックユーモア要素が癖になってしまった。
「告白」では従来のカラフルな絵のタッチからは一変して、黒っぽいフィルムに変わり、不穏な黒沢清ムードも入ったブラックエンターテイメントにしあがっていておもしろく賞味できた。(一部映画評論家さんたちの中では色々言われていたけど)
でも、この監督の映画は一度見たら、あんまりもう一回は見たくない。根底にあるテーマが暗くてけっこうな重さ。たたみかけて来る映像もしかり。
前置きが長すぎた。けど。このイメージのまま原作も話題になった映画だというので久々あの感覚を期待して見たけれど。見たけれど。
感想は一言「恥ずかしい〜」
映像の唐突感がもはや2000年代初頭を引きずっていて、古いよおー!誰もなにも言わなかったのかな。
サントラも「どや」の連続でうるさい。俺の好きな曲どや。大御所になると、自分の意見に偏るもんなのかしら。
それとも私自身が大人になって、懐かしさを感じてしまうからなのかしら。昔だったら好きになっていたのかな。と考えたけどそれは、わからないよ。
話の展開から見ると原作の「果てしなき渇き」はこのミステリーがすごい大賞をとっただけあって面白そうなので非常に残念。
今回も根底にあるテーマが、、と思ったけれど何が言いたいのかわからない映画でございました。