TOKYO TRIBE

(場面は1994年辺りを想像してもらいたい)

例えば、小さい頃からダンスを習っていて中学生くらいに巷で流行っているヒップホップの方向に向かった子がいたとする。踊りもヒップホップダンスを楽しみ始める。もちろん基礎が出来ているからダンスもうまい。ファッションが徐々にB系に向かっていったとしてもそれは自然な成り行きだと思うし、小さい頃から親しんできたダンスチューンに身のこなしもきっと相まって、客観的にも違和感なく「やっぱりそうきたかふむふむ。小さい頃からダンスナンバーに親しんでいることもあって身のこなしも恰好いい。」と納得すると思う。長年ダンスファッションで教室に通っていることだからきっとファッションセンスもイエローモンキーの呪縛から逃れ、筋金入りのBガールスタイルをいってるはずだ。

それでは、上記と同じ歳の中学生の子が他にいたとする。最近巷で流行っているヒップホップに同じくハマってしまった。まずは楽曲を聞いてB系ファッションを楽しむだろう。でももっと好きになってダンスも始めた。始めて間もないから基礎から学ばなければならない。まだまだへたくそ。練習こそが命。下手だけど熱意は負けない。ファッションセンスもトライしたてだから、へんてこな組わせの時もある。でも大好きだからたくさんコーディネイトしまくってセンスを磨いてやる。

この映画は後者の子を見ている様な映画だった。
 

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園子温監督の映画への情熱は見ていて気持ち良いし、時には感動して泣いてしまう。
しかし、ヒップホップ(全編ヒップホップミュージカル)という特殊な映画を撮るには色々なものが浅すぎたように感じた。
ヒップホップに詳しいわけではないけれど、ヒップホップを語るにはやはりそれなりのセンスとルールとテクニックが必要かも。劇中の俳優のセリフをヒップホップで表現するにはむりやり感を感じるし、慣れてない感があって見ているこちらも照れが入る。でも本物のヒップホッパーのアーティストたちがセリフというラップを紡ぎだすと格段に旨くて俳優との差が歴然としてしまっていた。。ラップって難しいんだなーとしみじみ。たくさん出てくる出演者も最後には一人ひとりの個性も生かせず収集が付かなくなってしまったような印象をうけたので、この手の映画はやはり三池崇史監督が撮りまくっている業績もあって旨いのかしらー。と思いました。
 
見ていて「愛と誠(三池監督ver)」の焼き直しを見ているような感じと「爆裂都市」を思い出したので気になったら美術監督が林田裕至さんという方で、やっぱり上記作品なるほど手掛けていらっしゃいました。(他にクローズやロビンソンの庭なども!)鈴木亮平(アンと花子の人)のカメレオン役者魂はすごいなと感じました~。
 

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あれ?くぼてぃーって歌手。。だったよね。。?